中嶋國一様 ご寄稿

2018年01月22日(月)
前略
 大学を出て、50年。半世紀過ぎて、自分の来し方、職業の選択についての自分の失敗談書いて何になるのかと考えるが、本当に老婆心ながら、土木、建設会社に就職する方が多数なので不要と思いながら尚、迷っておられる方が一人でもいたらと思いペンを走らせております。

私たちは昭和19年・20年生まれの年代で、戦争は直には覚えていません。しかし終戦後の焼跡や闇市(やみいち)の存在を知る年代です。
 私は、もし自宅が貧乏でなければ“政治”に非常に関心があったので早稲田の政治学科に行きたかった。それで熊大の法科も考えましたが、教科書を長崎書店で読んで、又、はっきり言って、見栄もありました。法科は点数が低くて意欲がわかない。土木は“政治”に近いという何とはなしの感覚で土木科にしたというのが偽りない心境です。

 さて大学での4年間最初の2年間は教養ですからドイツ語とちょっと国文学をちょっとの勉強で、あとはバイトか遊ぶかです。教養の時間は今でも変わりないと思います。何か教養の時間に特別勉強してますか、是非お聞かせ願いたい。
 大学生時代は、本当に大切な、一生の友人を作る天の与えられた貴重な4年間でした。専門外の法科の学生、また女子大の女学生との一生涯の友を作る期間でした。
大学時代は早朝の牛乳配達を4年間、家庭教師を2年間、九州地区土木系学生会会長を2年間(今でも九州地区土木系学生会ってあるのかな)、話し方教室の副代表を2年務め、大学のコンパの後には新市街の歓楽街で安酒を飲みそこの女たちと話したことなど色々と思い出のある時代です。
 さて、専門課程の2年間では、施工管理の会社に進むなら会社の概要(資本金、従業員数、全国規模か地球規模の会社か等)熊大の先輩がいるならその人たちの出世の程度、他の大学が部長や専務になっているかなど調べました(会社四季報等などなどみれば十分)。専門を「河川」と望むなら「河川工学」の専門書5冊程度暗記するくらい学べば(独学で)充分でした。あとは卒業できるだけの「可」、「60点」以上であれば充分。
 建設会社(大成とか大林とか鹿島など)実習に行っておおよその察しはつくと思いますが、不安なら熊大の土木の先輩の所へ訪ねて行って仕事の内容、賃金、出世、退職後の事など充分下調べして、進路・会社選びをすればいいと思います。

 役所は専攻する人が少ないので参考意見として記憶に留めてください。
 私は大阪市役所の都市開発局連絡係に配属になりました。市の研修で先ず大学では、北海道大から東北大、東京大、大阪大、大阪市立大、京都大、徳島大、山口大、九州大、鹿児島大と専攻は別でも73名いました。その人たちが幹部候補生です。
 最初の2年間で役所での出世、給与、人間関係、組合の事、行政の事、大阪のしょって立つ日本での地位、等々つぶさにわかります。大阪市役所で局長になれるのは京都大学出身者のみ(一部東大もいるがわずか)、あとの大学卒は課長どまり。よくて部長だ、というのが実態でした。また、行政を経験して、政治家を目指す人もいました。行政については本も沢山出ているので、興味のある人は読んでくれたまえ。
 政治についても様々な角度から学んで欲しい。各政党のマニフェストや世界情勢を理解した上で、どこの党に投票するか決めよう。それが大学を出たと言う試金石だ!

 さて、現在は、幼稚園児相手に幼稚園でお話しや、小中高生との文通などと、そろそろ小中生への講演をしようと考えている。また、全国の障害者の方と文通したり、日曜日キリスト教の外人宣教師(アメリカが多いが)と、宗教は別にして文通をする予定である(英語の基礎の勉強優が今に生きる)。面白いぞ、生きるとは
 それでは長くなってご免。
草々
 
やわらかに 積もれる雪に熱てる頬を 埋むるごとき恋してみたし                啄木
夕立に心ときめき肩触れて ビルの谷間に消える二人よ                           雲
ブランコが上手にこげぬと甘ったれ 又もぐずるよその母みつつ                  雲

 
※ご意見やご質問のある方は下記コメント欄へメッセージを下さい。(中嶋)
 

コメントする