【技術士コーナー】技術士受験体験記-上下水道部門(下水道)

2012年11月14日(水)
㈱国土開発コンサルタント 
有田 勉(平成7年卒)

1.はじめに

 私は平成7年に宮大土木を卒業し、現在勤務している㈱国土開発コンサルタントに入社しました。入社後この業界で働くなかで、技術士の方々の活躍を間近でみながら、自分も将来は技術士の資格を取得したいと、漠然ではありましたが思いました。また、昨今の不景気、受注環境の変化のなかで、建設コンサルタントの業界で働く者としては絶対に取得しておくべき資格であると考え、平成16年度から技術士試験を受験することにしました。

 平成17年度の受験では筆記試験に合格したものの口頭試験で不合格、平成18年度の受験では筆記試験で不合格となり、平成19年度の受験でようやく合格し、念願の技術士(上下水道部門:下水道)となることができました。


 
2.私の勉強法

 勉強法は人によってそれぞれ違ってくると思います。受験勉強をしていくなかで、自分にあったスタイルを自分で発見し、確立していくことが重要ではないかと思います。

 参考になるかわかりませんが、以下に私の勉強法を列記します。

  • 経験論文の作成
    旧試験制度(平成18年度以前)では、経験論文が試験の大きなウェイトをしめていたので、1回目の受験では経験論文の作成を最も重点的にやりました。経験論文を完成させるにあたり、自分で書いた経験論文の添削を社内の先輩技術士から何度も受けました。その添削を受ける過程で、文章の書き方、組み立て方を学びましたが、このことは一般及び専門論文対策でも役立ちました。
  • 出題傾向の把握、予想問題の作成
    過去問から出題傾向を把握しました。傾向としては各分野のトピックに関することが主に出題されているので、専門誌やホームページに掲載されている報告書等を勉強しました。そして、毎年、数問ずつ予想問題を作成し受験にのぞみました。
  • 不得意分野の勉強
    上下水道部門では、普段の業務では全く携わることのない水処理関係の問題が多く出題されますが、この分野の対策が最も苦労した点でした。
    この分野の勉強法は、まずは、専門用語を理解することからはじめました。わからない専門用語があれば、ひとつひとつ指針やインターネットで調べ理解していきました。また、過去によく出題されている水処理法についても、基本的なところから、ひとつひとつ勉強していきました。
 
3.受験を振り返って

  受験を振り返って大変であったことは、勉強する時間をつくることでした。日々、仕事に追われ帰宅する時間も遅く、なかなかまとまった時間をつくることができませんでした。帰宅してからは、晩酌が日課となっていますので、朝少し早く起きて勉強したり、仕事のちょっとした空き時間を利用しました。また、休日もできるだけ時間をつくり勉強時間にあてましたが、この点に関しては、家族に大変迷惑をかけたと思います。

 また、モチベーションを維持し続けることも大変でした。特に、口頭試験の不合格後はモチベーションがなかなかあがらず、行き詰まってしまい、いろいろと悩みましたが、結局はあれこれ考えても何も進歩がないので、毎年受験し続け、少しずつでもレベルアップできればいいと自分に言い聞かせ受験にのぞみました。

  合格するまでの間に、社内だけでなく他社の方々、宮大土木の先輩方からもいろいろとアドバイスをいただき、心から感謝しております。今後、技術士受験に関する相談を受けることがあれば、少しでも力になりたいと思います。

 
4.技術士となって

  平成20年3月に技術士の登録を行い、「技術士」の名称を用いて業務を遂行していくこととなりましたが、日々、自分の技術力のなさ、経験不足を痛感しています。今後は、技術士の名に恥じないように、そして、だれからも信頼される建設コンサルタントの技術者となれるように、技術の研鑽に励んでいきたいと思います。

 
5.おわりに

  昨今の社会情勢の変化のなかで、土木建設業界に対する世間の見方は大変厳しいものになってきています。その様な中、若い技術者の減少や土木建設業界のイメージダウン、労働環境の悪化といった様々の問題がでてきています。これらの問題を少しでも改善できるよう、我々中堅の技術者が頑張っていくべきであると思います。

  最後に、宮崎大学土木会が今後ますます発展していくこを祈念し、私の技術士体験記とさせていただきます。

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