卒業生便り

自分にしか作れないもの作る

2019年07月03日(水)
中島 賢大(造形2期)

 僕は幼い頃から「作る」という行動が好きで、物心がつくより以前からそれは自然とやっていて、粘土細工で遊ぶ用のテーブルの上には、常に何かしらのディオラマができているほどでした。
 思えばそんな年から「自分にしか作れないもの作る」生き方を強く願っていたのかもしれません。
 時間と疲れを忘れ、没頭できるものに挑戦し続けたいと願いはじめていた受験シーズンで、進路相談で紹介していただいたのが港南造形でした。
 自分がやりたいこと、なにをして生きていくかを港南造形で見つけ、卒業後は大阪芸術大学で版画を専攻していました。
 高校時代絵画部に所属し、海が好きなので青い海の絵を主に描いていたのですが、大学に入学してまもなくシュールレアリスムの世界に感化され、作風がガラリと変わり、土着的且つちょっと不気味かわいい物体が登場するようになります。学外活動としては他大学の学生たちとの交流も経て、チャリティのイベントなどでライブペイントをさせていただいたりとアートを通じて様々なことに取り組む方々との貴重な出逢いがあったりと、好きなことを続けていくことに生きがいを感じ、「オレこんなんがやりたかった」という思いが一層強くなったのもこの時期でございました。
 大学卒業後の現在は、日々描いている人間が存在しない異世界に住む“イキモノ”たちの物語『ドンランド』を描き始めます。
 作品として関西を中心に展覧会などの数多くイベントなどに出展しながら、2013年には初個展、2014年からは叔父とともに実家の一室を改装した「TAMAEDO GALLERY」の運営を開始。以降は展示イベントも自身で企画しながら活動しております。
 今後の展開としては、東京など府外の展示や、大きなアートイベントにも参加したり、また絵やデザイン制作の依頼を受けられるようになっていきたいと考えています。
 仕事の傍ら限られた時間の中で、夢を追い創作活動を続けておりますが、改めて振り返ってみますと、「港南造形に出会えたこと」が今の自分の創作意欲を掻き立てる根源であるように思えます。
 港南造形の同期の皆や先生方に出会えたこと、言葉にできないほどに本当に感謝しています。