「たゆまず祈る」
大阪女学院理事長 錦織一郎
私たちは、新型コロナウイルスのパンデミックによって、体験したことのない世界をさまよい、歩んでいます。この環境に在(あ)って、熟慮の末にたどり着いた私の願いは、「いつも祈ること」「自分を、隣人を愛すること」「生命(いのち)を大切に守ること」です。この想いが長く受け継がれてきたものであることを、大阪女学院の歴史に刻まれた先達の行いと歩みが証(あかし)しています。
大阪女学院は、祈りによって、励まされ、支えられ、生かされている人びとが招かれ、関わり合い、集う場です。コロナ禍の中、若き生徒・学生たちが献身的に生き生きと教育活動に参画する姿は、私たちの学校が人格を磨くための価値を守り続けていることを映し出します。まさしく、大阪女学院が自覚してきた「キリスト教に基づく教育共同体」そのものです。そして、一人ひとりの同窓生も、同窓会も、この共同体の一員であり、部分であり、欠けてはならない存在です。
偉大な伝道者パウロが綴ったローマの信徒への手紙12章は、「キリストにおける新しい生活」「キリスト教的生活の規範」を説いています。今を生きる私たちが新しい生活様式への変化を望まれるとき、「キリストにおける新しい生活と規範」にならい、不変の真実を身に纏いたいのです。パウロは、「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」と語りかけています。
共に、「たゆまず祈る」ことを覚え、一日一日を新しく生きて、皆さんのHOMEである大阪女学院に集う未来を待ち望みましょう。
第二次世界大戦後、焼け跡のがれきを片付け、整地を行った時の生徒たちと先生方
第二次世界大戦後、焼け跡のグラウンド、青空の下で礼拝をささげる生徒たちと先生方