白川勝一郎(20)
昭和20年4月29日に沖縄近海で米軍駆逐艦「ヘイゼルウッド」にゼロ戦で突入し、同艦の艦長を含む米兵46名が死亡する大きなダメージを与えた特攻隊の隊員が、旧制18期の西口徳次さんであったことが、戦後73年を経過した今年明らかになりました。遺族から調査依頼を受けていた市民団体「豊の国宇佐市塾」(大分県)が、米国公文書館でヘイゼルウッドの関係資料と映像を発見し、それが遺族の所有しておられた旧海軍の出撃記録と一致したもので、5月27日に京都で開催された特攻隊の慰霊祭で映像が上映され、遺族の方が徳次さんの勇姿を確認できた非常に珍しいケースであります。
この報告を新20期の私が行うことを不思議に思われる方がおられると思いますので、少し説明させて頂きます。
私は東商を卒業して住友電気工業に入社し、大阪製作所経理課(此花区)に配属されましたが、入社当時にお世話になった西口智恵子さん(新姓杉山さん)が、徳次さんの一番下の妹さんでした。智恵子さんとは会社のOB会で時々お会いしておりましたが、今年お手紙を頂き、8月15日朝日放送の「キャスト」でお兄さんのことが放送され、智恵子さんの姉妹が出られるとの連絡を受けました。
その放送後、智恵子さんとお会いした時に、私が今東商の同窓会役員をしているとお話しをしたところ、智恵子さんから兄の徳次さんも東商生で旧制18期であるとのことを伺い、非常に不思議なご縁であると思い、この報告をさせて頂いた次第です。
徳次さんは神風特攻隊として23歳で出撃されておられ、特攻隊の功績により、海軍の中尉から少佐に特進されておられます。徳次さんのご冥福をお祈り申し上げます。