母校だより

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生命科学部の近況報告 生命科学部長 菊地武司(平成16年着任)

 生命科学部長・生命科学研究科長の菊地武司です。今年度四月より、小島一男先生の後任として学部長を拝命しております。立命化友会の皆様には平素より生命科学部・生命科学研究科の研究教育にご支援・ご協力を賜り誠にありがとうございます。
 立命館大学では、立命ファミリーの輪を広げまた強固にするために、かつて父母教育後援会の一企画で「都道府県懇談会」といっていたものを「一日キャンパス」に名称を変え、さらにアカデミック講演会というような企画も加え、単にそれぞれの地域に赴いて、父母の方々のお話をお聞きするだけでなく、立命ファミリーとして日頃の研究・教育に触れていただき、また卒業後も立命館に関わるというように校友会活動を広げようとしております。
 皆さんご承知のとおり本学では、現在R2020の完成期を迎え、さらにそれを発展させるべくR2030に取り組んでおります。R2020ではグローバリゼーション(国際化)とダイバーシティ(多様性)をキーワードとして、留学生の受け入れ、海外への学生の派遣、さらにはダイバーシティの一つの指標でもある女性教員の積極的任用を生命科学部でも行っております。英語基準の大学院留学生数も増加し、それぞれのコースの研究室に留学生が日本人とともに研究に励んでいる姿もそんなに珍しいことではなくなってきました。日本人院生にとっても大きな刺激になっていると思います。R2030に向けさらに留学生の受け入れを進める所存でございます。また日本人学生の海外派遣も力を入れており、カリフォルニア大学デービス校への学部学生の派遣、GRGP(Global-ready Graduate Program) 制度を利用した大学院生の海外への大学・研究機関へ留学する院生の数も少しずつ増えているように見受けられます。
 2020年度以降18歳年齢人口の減少が予想され、大学もそれに備え様々な方策を検討せねばなりません。生命科学部も例外ではなく、これまでと同じ入試施策を続けるわけには参りません。今後は、新たな入試施策に挑戦し、さらにはこれからの激動の時代を乗り切るための学部の在り方についても斬新な試みが必要となります。さらに2020年度より順次小中高教育の学習指導要領が大きく変わることが決定しており、今後は探求型授業を取り入れた教育がなされるということです。数年後にはそのような教育を受けた学生が大学に入学することになります。そのときには、それまで小中高校にて受けてきた先進的な教育に比べ、大学では旧態依然とした教育を行っていれば、受験生から愛想をつかれるのは間違いありません。これからの大学教育のあり方を我々は追及せねばなりません。
 また昨今注目を受けているのはいわゆるSTEAM教育です。これは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の総合的教育環境のことです。このように幅広い教育ということも大学に求められており、我々も新たな大学教育を模索せねばなりません。現在は様々な領域において変革を求められており、大学も、従って立命館大学生命科学部も例外ではありません。今は変革の時です。
 さて、今年は、立命館大学校友会は設立100周年目にあたります。改めまして立命館大学、そして校友会の伝統の深さを認識いたします。今年10月には記念の企画がいろいろ計画されており、特に理工系学部では記念講演会を企画しております。講演者は宇宙科学研究所所長の國中均氏で、はやぶさ計画についてご講演いただけることになっております。この企画についても皆様方のご支援を賜ればと存じます。
 これからの生命科学部・生命科学研究科のさらなる発展を追求していく所存でございます。皆様の一層のご支援・ご援助をよろしくお願い申し上げます。