校長 挨拶
2018.06.28
校長 荒木 啓二郎
平成30年4月1日付で熊本高等専門学校の校長を拝命致しました荒木と申します。前校長の長谷川勉先生とたまたま同じく九州大学大学院システム情報科学研究院から参りました。熊本電波同窓会の皆様よろしくお願い申し上げます。私事で恐縮ですが、私が九大で助教授になって最初に指導した大学院修士課程の学生の中に熊本電波高専出身者が居まして、今でもメイルのやりとりをしたり、つい最近も久しぶりに会ったりしており、熊本電波高専とのご縁を感じております。
大学在任中には、学部3年次への編入学や大学院修士課程へ入学してきた高専出身者の優秀さを間近に見てきました。実践的な知識や技量はもちろんのこと、様々なことに挑戦する積極性や意欲ももっていて、内向き指向が強くなってきたと評されている最近の大学生とついつい較べてしまいます。大学から高専に参りまして、まず感じたのが、学校と地域との結びつきの強さ、そして、教職員と学生との関係の濃厚さです。学生の出身地、保護者や奨学後援会からの多様で手厚い支援、地域コミュニティからの応援や協力、OB・OGと先生方・学校との関係、そしてその中で学生が実に丁寧に手をかけて育てられているという印象を持ちました。
その結果として、学生の学業や研究における成長と、各種コンテストやクラブ活動などの様々な場での活躍につながっているように見えます。熊本高専熊本キャンパスの学生の昨年度の活躍ぶりの一端をご紹介しますと、ロボットコンテスト全国大会アイデア賞ならびに特別賞受賞、全国高等専門学校英語プレゼンテーションコンテスト・シングル部門優勝、ディジタル技術検定文部大臣賞、優秀賞2名、優良賞3名の受賞、JAPECアイデアコンテスト作品賞1件、アイデア賞2件の受賞、第52回全国高等専門学校体育大会剣道競技男子団体戦優勝ならびに三連覇により特別表彰、第4回九州沖縄地区高等専門学校弓道大会男子団体の部優勝、男子個人の部優勝、準優勝、などなど多くの素晴らしい結果を残してくれました。
ところで、独立行政法人国立高等専門学校機構の中の組織として、社会の厳しい波の中に曝されており、予算と人員の削減、社会の要求に応える高度な人材の輩出、地域振興、国際化、次世代を牽引するイニシアティブの創成、などなどへの対応が求められています。高専に対する社会の期待と要求は、ますます大きく、そしてより高度なものになってきています。
そのような状況の中、熊本高専は、「Society 5.0 実現に向けた人財還流型高専版オープン・イノベーション基盤の構築」と「新たな社会を創出する人材育成 — リベラルアーツを基にした高専コア教育 —」の二つの方向性を掲げて、今後の活動を推進していく予定です。特に前者においては、上述の地域コミュニティや同窓会、OB・OGとのより密で有機的な関係を構築することが前提となります。学生、学校、社会の三者間で win-win-win の関係を形成して、前述の丁寧で手厚い指導による人材育成を継続し発展させて、社会に貢献し続けるために、同窓会の皆樣方のより一層のご協力ご支援をお願い申し上げます。