(1)自己紹介
私は関西福祉科学大学を卒業後、3年間デイサービスにおいて相談員として働いていました。その後、地元の専門学校へ3年間勉強して、現在は理学療法士として病院で働いています。
(2)相談員としてのエピソード
①市に地域包括支援センターが置かれたとき、市職員と我々相談員が介護保険の運営に関して話し合ったときのことです。
②その会合での話題の中心は、介護保険制度の不満、介護認定の不満ばかりでした。
③あまり不満ばかりでるので、私は、次に述べる家族の関わりが増えたケースの話をしました。
(3)デイサービスで相談員として働いていたときのケース
①要介護認定が、「要介護1」から「要支援2」に下がった利用者(男性)さんの話です。
「要介護1」として受けていたヘルパーやデイサービスの回数が、「要支援2」になることによってサービスの回数が少なくなります。そこで、今後についての担当者会議を開かれました。
②ご家族は、「サービス利用の回数が減っても、今まで一人で何とか生活ができたのだから、今後も大丈夫だろう。」という意見でした。
③私がデイサービスで訪問したときの入浴時、利用者さん(その男性)の膝の皮膚が踵のように硬くなっていたので、その理由を訊ねると「体調には日内差があって、朝は頭がふらつくので自宅内を這って移動している。」とのことでした。
なぜ、這うのかと私が聞きますと、「転んでケガをすれば、息子や娘に迷惑がかかる。」との理由でした。
④利用者(その男性)さんの思いをご家族に伝えて、毎朝、近くに住む娘さんがお父さん(その男性)の安否の確認をすることと、デイサービスがない日はできるだけ誰かが顔を出すようにするなどを利用者さんの家族と取り決めました。その結果、「要介護1」から「要支援2」へのサービスの低下分だけ家族の関わりが増えました。
(4)わたしの考え
①介護プランを作成する際、「要介護1」はこのサービス、「要支援2」はこのサービス等要介護認定の状態区分を杓子定規に考えずに、本人のためにもっと柔軟に対応すべきだと考えます。
②今回のケースでは、介護度が下がることにより、結果的に利用者(その男性)さんと家族との関わりが増えました。
③面接や観察だけでなく、実際に入浴したときに利用者さんの全身状態の細やかな観察が必要であります。
④現在、私は相談員としてではなく理学療法士として働いています。相談員の時の経験から、より一層患者さんの気持を考えるようにしています。
以上