東京武夫原会
東京武夫原会
2017年3月30日
震災から一年
熊本城・航空写真 |
あれから1年が経とうとしています。熊本の人々は大切な家族や財産を失い、心身ともに傷つき疲れ果てていましたが、全国から駆けつけてくださったボランティアの皆さんの力や、我が事のように心配し温かいご支援を寄せてくださった国内外の皆さんのお気持ちを支えに、少しずつ前を向いて歩き始めています。被災地には、今なおブルーシートに覆われた家がたくさんありますが、いたるところで解体や再建をすすめる重機の音が響いています。半壊となった私の実家も、やっと改修完了の目処が立ち、五月には年老いた両親に我が家で過ごす時間を取り戻してあげることが出来そうです。
そして、新たな再生の動きも着実に進んでいます。2月19日には、今年で6回目を迎えた熊本城マラソンに13,000人以上のランナーが集い、熊本を元気付ける走りを見せてくれました。また25日には、被災し休園していた動植物園が一部再開され、久しぶりにこども達の歓声で包まれた園内で、動物たちも安心した様子を見せていました。さらに、熊本県民の誇りであり、復興の象徴である熊本城には、早期の再建を願う方々から51,000件、8億4千万円を超える(3/21現在)寄付が寄せられており、その思いに少しでも早く応えようと天守閣再建の工事が動き出しています。
熊本市役所最上階から撮った熊本 城全景 |
そのような中、熊本の学生たちも、今回の地震で多くの経験と学びを得たようです。熊本地震をきっかけに、避難所でボランティア活動をしたり、人のつながりの大切さを実感しまちづくり活動に参加し始めた学生、また将来の目標を考えなおした学生など、被災の経験を糧に、自らの、そして熊本の将来を考え、行動する若者たちが多くいることに勇気付けられています。
復興ミーティング |
私も、残り少なくなってきた行政マンとしての時間を、熊本の未来につながる仕事に費やすことが出来ればと考えています。今回の大震災を乗り越え、市民一人ひとりが多様な価値観を満足させることのできる「上質な生活都市」熊本づくりに向けて、錆び始めた頭をブラッシュアップして、自ら考え、自ら見直し、自ら行動する職員に変革したいと強く決意する、震災から1年の今日この頃です。
昭和62年法学部卒 村上和美