2015年

2015年

H27年秋・奈良春日山原始林ハイキングのご報告

第18回(S45年卒)今泉(岩永)富美子

晩秋の三連休。その初日、11月21日の土曜日、関西武夫原会の15名は奈良公園、猿沢の池の辺りを通り抜け、春日大社の方向に歩いていました。雲は多いものの、興福寺の五重塔の上の空は青く、深く、古都は柔らかな日差しに包まれていました。天気に恵まれたことに感謝!「今日でハイキングは何回目になる?」「そうだなあ、春と秋、4回ばかり巡って今日で8回目かなあ」。そんな会話を交わしながら。

 

★ 旧柳生街道(滝坂の道)を行く

ハイキングのコースに変化をつけることと、時間的なことなども考慮して、行きは石畳の滝坂の道、帰りは春日山遊歩道を歩くことにしました。剣豪荒木又衛門が試し切りに斬ったという「首切地蔵」を拝みその辺りでお弁当です。

「柳生の里」に続く、原始林の中の渓流沿いの古道は、歴史ロマンに満ちてはいますが、石畳に張り付いている落ち葉は濡れて滑りやすく、しかも、ひたすらの上り!皆、足元ばかり見ていました。日常はあまり歩くことのない人にとっては想定外のきつさだったかもしれませんね。

でも、あの、道端の一枚岩の裏の「寝仏」、夕陽を受けたら美しいだろう「夕日観音」、朝日のさす東方を向いている「朝日観音」などを見ると心和みました。また、途中で出会った写真クラブのお仲間らしいグループは、蔓に巻きつかれた木をしみじみと眺め、「ああ、ここで蔓が千切れて、やっと解放されているなあ」と根元を指しながら、安堵の様子。「なるほど、枯れ木にもそれほどの深い思いを持つものかなあ」と、取りあえずは立ち止まって話を聞いていました。その横を若者のカップルは、私たちに目もくれず、手を取り合って、タッ、タッ、タッと通り過ぎて行きました。

★ お弁当を食べながら

首を斬られているのだろうけど、赤い涎掛け(このネーミングは今の時代にもいきていましたっけ?)が懸かっているから、首のところがそれほどあからさまではないお地蔵さん!めざした「広場」にやっと着きました。そこから少し上った池のたもとでお昼です。いつもの青いシートを敷き、いつもの熊本のお酒が出て、お土産のお菓子も出ました。

池の周りは、まだ緑も残るものの木々の紅葉はかなり進んでいます。背の高いススキもたくさん見られます。それらが水面に映っていました。

食事が終わってから、今日は多く集まったので、お互いによく知らない方もあるだろうと、順番に自己紹介。卒業年度や現在住んでいるところ、趣味や仕事、学んでいること、思うことなど、など。

皆さんそれぞれに心豊かに、アクティブに人生を楽しんでおられる様子を垣間見ることができて、とても楽しいひとときでした。

 

★ 帰り道は近かった

春日山遊歩道に沿って帰路に着きます。この道はずっと緩やかな下り。車も通れるだろうけど、通らないから安心の土の道。三本杉休憩舎、妙見宮。おしゃべりばかりしていると見逃しそうです。くねくねと道を辿りながら、ときどき後ろを振り返ると、15人の列が随分長くなっています。写真を撮る人、動物(イノシシだろうか、シカはここまでは来ない?)の痕跡を確認する人。五色の紅葉を観賞する人。みんな自由に楽しんでいるうちに南部交番所まで戻って来ていました。街路樹のナンキンハゼの赤や黄の葉が西に傾きかけた太陽に映えていました。

★ 最高のおまけ!

山を歩いているとき、「県庁の屋上がとてもいいらしい。いつか上がってみたいね」という声を耳にしていました。だけど、本当に上がれるなんて思いもしませんでした。なのに、本当に上ったのです。マスコット・キャラクターの‘せんとくん‘に迎えられて県庁の中に、そして、屋上へ。最高のロケーション、古都奈良の東西南北が手に取るように見えます。北東に大仏殿が大きく翼を広げるように。南には朝も見た五重塔。遠く、西方には平城宮跡。これは備え付けの望遠鏡で見ました。四方、のびやかな眺めが広がっていました。

★ 次回の参加をお待ちしています

皆さんの中には、もうすでに、他のお仲間とハイキングを楽しんでおられる方もいらっしゃるかと思いますが、ぜひ一度、「武夫原会ハイク」にもおいでください。そして、いろいろな新しい情報を提供してください。もちろん、「ハイキングなど縁がなかったけど、行ってみようか」も大歓迎です。日頃おしゃべりな人も、そうではない方も、それぞれにお楽しみいただけるものと思っております。