東京武夫原会

泉岳寺探訪記

 師走らしい冷たい空気に包まれた12月8日の日曜日午後、熊大卒業生をはじめ熊本に縁のある12名が集まり泉岳寺およびその周辺の旧跡を見学しました。
 泉岳寺は、仇討ちを成し遂げた赤穂義士たちのお墓があることで有名な寺院です。討ち入りのあった12月はこの事件を題材にした「忠臣蔵」が取り上げられる機会が多く、以前から一度訪れてみたいと思っていた場所でした。
 泉岳寺の山門をくぐると、まず赤穂義士墓地を訪れました。墓地の受付で拝観料代わりの線香を購入し、着火してもらいます。47人の赤穂義士たちのお墓は、討ち入り後の預け先によって分けられ、主君のお墓の隣に整然と並んでいました。参拝に訪れた人々が供えた線香の煙が立ちこめる中、一人ひとりのお墓に刻まれた名前や年齢を見ながら義士たちの行動に思いを馳せ、線香を供えていきました。
 続いて、境内の中にある赤穂義士記念館と義士木像館を見学しました。館内には、義士たちの遺品や木像、討ち入りに関する文献などが展示されており、事件の経緯や詳細を学ぶことができます。忠臣蔵に関するビデオも上映されていました。これまで断片的な知識しかありませんでしたが、忠臣蔵の内容と史実には異なる部分も多いことを知り、新たな発見がありました。これを機に、改めてその歴史について学びたいと思います。
 その後、泉岳寺を後にし、熊本藩細川家下屋敷跡へ足を運びました。泉岳寺から徒歩数分の場所に47義士のうち細川家に預けられた大石内蔵助ら17人が切腹した地があります。細川家では義士たちを手厚くもてなしたと言われています。
普段、この場所は塀で囲まれ施錠されているため、中に入ることができませんが、扉の窓から内部の様子をうかがうことができます。扉の向こうは緑豊かな静寂な場所で、そこだけが別世界のようでした。この雰囲気の中、実際に切腹が行われたことを改めて実感しました。
 さらに、少し離れた場所に進み、事件当時から屋敷内に立っていたとされる「旧細川邸のシイの木」の堂々たる姿を見学し、高輪大木戸跡へ向かいました。
 高輪の大木戸は、治安維持等を目的に旧東海道の両側に石垣を築き、その間に門と柵を設置することで、江戸の南の出入口の役割を担っていました。現在は第一京浜国道沿いに東側の石垣だけが残されています。当時、この場所は海岸沿いで賑わいを見せており、その様子は浮世絵にも描かれています。現在ではビルが立ち並び、高輪ゲートウェイ駅付近の再開発も進んでおり、浮世絵に描かれた風景と見比べながら、時代の移り変わりを感じることができました。
 見学会終了後は懇親会が開催されました。美味しい料理とともに参加者の皆さんと親睦を深めることができ、身体も心も温まり、充実した一日となりました。
 事前の準備や当日の案内をしてくださった皆様、ありがとうございました。
以 上
 
佐藤和也(平成3年法学部卒)
 

「覧古考新」黒髪での武夫原会大同窓会・ホームカミングデーに参加して

平成3年 法学部卒 後藤 勇治
 
秋風に誘われ、11月4日に黒髪キャンパスで開催された『熊本大学武夫原会大同窓会』ならびに大学が卒業生向けに主催する『第17回ホームカミングデー』に参加して参りました。
 
当日は快晴のもと、久し振りに赤門をくぐった瞬間に学生時代にタイムスリップ...。今は「紫熊祭(しぐまさい)」という名称となっている学祭の模擬店で賑わうキャンパス内を、呼び込みの学生に声を掛けられながら五高記念館に歩を進めました。

 
五高記念館は8年前の熊本大地震で大きな被害を受けましたが、復旧工事が完了し不死鳥の如く蘇っており、キャンパスミュージアムとして内部も見学できます。当時の教室の机に座ってみたり、五高生の制服制帽や池田勇人元総理寄贈の大太鼓を目の当たりにし、古き良き時代の息吹に触れることができました。

 
11時半より文・法学部本館にて挙行される『熊本大学武夫原会大同窓会』に向かい、34年ぶりに懐かしの大講義室へ着席しました。
先ず、熊大文学部を卒業し現在愛媛大学教授である村上恭通氏の講演会「人類・鉄との邂逅から“たたら”まで -ユーラシアのアイアン・ロードを追跡する-」を聴講し、古代製錬技術の西洋から東洋までの伝播を通じた歴史を学ぶとともに村上教授の研究に対するロマンを感じつつ1時間が瞬く間に過ぎました。
その後の式典では、武夫原会の深町会長の挨拶に続き、来賓として文学部長や法学部長などの大学幹部からの祝辞を頂戴して大同窓会は盛会のうちに終了しました。

 
13時より『ホームカミングデー』の式典が行われる工学部キャンパスに移動し、小川学長より「熊本大学の更なる改革に向けて」と題した近況報告を拝聴しました。本学のビジョンとして、「地域と世界に開かれ、共創を通じて社会に貢献する教育研究拠点大学」を掲げており、今回のイベントのような卒業生に対するハートフルな対応を含め、非常にオープンな大学運営に努められていることに感心しました。
また、式典の中で、我が東京武夫原会の神崎会長が卒業生表彰を受けられた旨が披露されましたことも合わせてご報告させていただきます。
その後、工学部百周年記念館にて交流会が行われ、吹奏楽部の演奏やサークル紹介などで学生の参加もあり、アットホームな雰囲気のなか球磨焼酎を片手に学部や年代を越えて旧交を温めることができました。締めに応援団とチアリーダー部による五高寮歌「武夫原頭に草萌えて」の大合唱でお開きとなりました。

 
今回のイベントに参加して、緑豊かで歴史ある学び舎を持つ黒髪キャンパスが昔日のまま在り続けてくれていることに加え、今なお卒業生を温かく迎えてくれる大学関係者の方々がいらっしゃる母校に対し心から感謝の念を深めました。これからも母校のイベントや武夫原会での交流を通じて自らの覧古考新の糧としていこうと思慮しながら、立派になった熊本駅で桂花ラーメンを啜り九州新幹線に飛び乗って帰路に就きました。

第40回東京武夫原会総会・懇親会が開催されました


令和6年10月20日、東京御茶ノ水の東京ガーデンパレスにおいて40回目となる東京武夫原会総会・懇親会が開催されました。
 
今回、53名の参加者は80才代から20才代後半の方まで幅広い年齢層にわたり、今年からハガキのよる申し込みの他に、メールによる参加申し込みも始めたこともあって、初参加の方が7名来て頂きました。
 
来賓の方々は熊本大学を始め、熊本大学武夫原会、熊本県・熊本市の東京事務所、熊本県人会、永青文庫、熊本学園大学同窓会東京支部の皆様です。来賓を代表して水元熊大副学長からは、熊大の現状と今後、50数年ぶりに相次ぐ新学部の設立に関する話題、最後に卒業生には今後とも物心両面でのサポートをお願いしたいとのお話で締めくくられました。
 
続いて永青文庫常務理事の林田直志氏の講演は、永青文庫にとって熊大との連携が膨大な収集資料の整理・解明に不可欠であることを強調されていました。特に大学での古文書の解読が、新たな歴史上の新事実や背景の解明に繋がっている事例を、沢山の写真とともに分かりやすく説明して頂きました。改めて永青文庫が担う役割の大きさを再認識させられました。
 
懇親会では各々久方ぶりに旧交を温めながら話が弾み、会の途中では大学の3学部長からのユニークなご挨拶や、内藤熊本県東京事務所長や守田熊本県人会からのご挨拶、又初参加者のスピーチ等が会を盛り上げて頂きました。最後は東京武夫原会の藤川さんが、自前で揃えた応援団のいでたちで中央に立ち、五高寮歌を全員で歌い、3時間半の楽しい集いを終了しました。
 
来年は10月18日(土)の11時から、今回と同じ東京ガーデンパレスで開催の予定です。皆さまのご参加をお待ちしています。
 
又今年2回目の東京歴史探訪は12月8日(日)14時に高輪泉岳寺の山門に集合し、泉岳寺とその周辺を巡る予定です。自由参加ですが予め参加される方の人数を把握したく、事前に下記のメールで参加希望の旨お知らせ頂ければ幸いです。
micchan1700@gmail.com

第40回熊本大学 東京武夫原会 総会・懇親会のご案内

熊本大学東京武夫原会会長 神崎 芳郎
 
 東京武夫原会の皆様方におかれましては、日頃の当会活動へのご理解、ご参加及び会費の納入をいただき、心より感謝申し上げます。
 今年は節目となる第40回目の総会・懇親会を10月20日(日)に開催することとしました。 事務局一同、従来にも増して準備に取り組んでおります。
 同窓会活動の中心は年に1度の総会・懇親会にあります。首都圏を中心に日々の生活を営んでいる同窓生が熊本の思い出を共有し語り合うことができるこの機会は大変貴重です。 白川の畔、立田山の麓で過ごした学生時代は年代によって違いはあっても、我々にとっては特別な想い出の詰まった貴重な時間だったと思います。
 総会・懇親会は懐かしい想い出を語り合うだけではなく、新たな出会いや繋がりを築く機会でもあります。 お互いの近況を語りつつ、これから共に応援し合える関係が築いていければ素晴らしいことと考えます。
 多くの同窓生にご出席いただき活気ある会になりますよう、また今後の同窓生の皆様のご健勝と東京武夫原会並びに熊本大学の発展につながりますよう、当日は是非足をお運びくださいますようお願い申し上げます。

 
第40回定期総会・懇親会を下記の通り開催致します。
 同窓の皆様、ご同期の方並びに先輩・後輩の方々をお誘い合わせのうえ、ご出席くださいますようお願い申し上げます。 多数のご出席を心よりお待ち申し上げております。
日時:令和6年10月20日 (日) 10:30 受付開始 11:00 総会
【講演】 演題:「永青文庫と細川家」
講師:公益財団法人 永青文庫 常務理事 林田 直志 様
  〈永青文庫〉 東京都文京区目白台にある日本・東洋の古美術を中心とした美術館であり、旧熊本藩主細川家伝来の美術品・歴史資料、 16代当主細川護立の蒐集品等を収蔵・展示・研究している。
  12:30 懇親会
14:30 中締め
場所:ホテル東京ガーデンパレス  東京都文京区湯島1丁目7-5 TEL03-3813-6211 
  JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」より徒歩5分
  東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」 より徒歩5分
  東京メトロ丸ノ内線 「御茶ノ水駅」より徒歩5分
懇親会費:6,500円
※平成26年~平成31年3月卒業生は3,500円
※令和2年~令和6年3月卒業生は無料
懇親会費は、当日受付時に
お支払いをお願いします。

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第40回東京武夫原会総会・懇親会に関するお願い
  1. .出欠 締め切り 令和6年8月31日 (土)
    東京武夫原会の業務委託先である、(有) プリンティングサービスにて受付、とりまとめしています。
    同封のハガキにて回答をお願いします。
    メールで回答することも可能です。
    micchan1700@gmail.com  (東京武夫原会事務局長 曽根田 満)

     
  2. 年会費納入 納入期限 9月30日 (月)
    総会前に年会費 1,500円の納入をお願い申し上げます。
    つきましては、同封の振込用紙にて事前に納入頂きますようお願い申し上げます。総会当日の受付時での納入もお受けします。

     
  3. 熊本大学武夫原会 Web 名簿システムへの登録のお願い
    個人情報保護の観点から、 Web名簿システムを構築し、会員各位の情報の確認・更新をお願いしております。 下記URLもしくは左記QRコードからログイン頂き情報の登録及び確認・更新をお願い申し上げます。
    https://www.web-dousoukai.com/bufugen/weblist/
    ログイン時に必要な会員コード(ID)とパスワードは会報に同封した宛名用紙に印字されています。

歴史探訪 『永青文庫』と『肥後細川庭園』

 5月18日の土曜日午後、絶好の行楽日和の中、熊大卒業生6人が集まり、文京区目白台にある永青文庫と隣接する肥後細川庭園を見学しました。
永青文庫は江戸時代から近代に至る細川家伝来のコレクションを展示する施設です。長年に亘って集められたコレクションは相当の数になるため、この永青文庫だけではなく、熊大の附属図書館や熊本県立美術館等にも保管されています。最近では薩摩に派遣された熊本藩の密偵の報告書がマスコミでも大きく取り上げられました。見学に際しては井戸下事務長にご案内して頂き、専門的な内容については学芸員の方からの説明も頂きながら、理解を深めることができました。
(この秋には「織田信長文書の世界』展が、永青文庫において9年ぶりに開催される予定です)
 
 永青文庫の後は隣接する肥後細川庭園を見学しました。ここも見学ボランテアの方から詳しく説明を頂きました。幕末に肥後熊本54万石の下屋敷となりましたが、明治以降は細川家の住まいや学問所として使用され、現在は文京区が管理する庭園として、一般に公開されています。
庭園では肥後六花が植えられ、隣接する和敬塾(元は細川家下屋敷の一部)からの湧水が園内にある滝から回遊式庭園の池を満たし、地形の変化を生かした散策路が巡らされた園内は、とても都内とは思えない閑静な環境でした。
 
 探訪終了後は有志で簡単な懇親会を行い、英気を養いました。
次回は都内の名所旧跡散策を秋頃に予定しています。このホームページでもご案内しますので、ご興味のある方の参加をお待ちしています。

文責  曽根田満

BSテレ東「NIKKEI日曜サロン」  坂本英二さんが司会進行役に

 日本経済新聞社上級論説委員兼編集委員の坂本英二さん(法学部平成元年卒)がメインキャスターを務めるBSテレ東の「NIKKEI日曜サロン」(毎週日曜日午前 9:30〜10:00)が4月からスタートします。
 政治家をはじめ毎回多彩なゲストを招いて、その時々の政治、経済の動きや日本の将来を分かりやすく語ってもらう対談番組です。
 第1回目となる4月7日(日)のゲストは小池百合子東京都知事。今後、毎週日曜日の同じ時間帯で、坂本さんが司会進行役で毎回出演する予定です。

東京武夫原会主催 歴史探訪 「永青文庫」 5月18日実施

来たる5月18日の土曜日、14時〜16時半の予定で東京都文京区の細川家ゆかりの「永青文庫」を見学します。
周辺は目白台の閑静な住宅街です。春のうららかな一日を熊大卒業生の皆さんと、ご一緒に散策しながら過ごして見ませんか。
詳細は下記の通りです。目白通りから少し奥まった場所で分かりにくい場所なので、下記の地図を参考にされて、時間に余裕を持ってお出かけ下さい。 
5月18日(土曜日)14時「永青文庫」の前庭に集合。
見学後隣接する「肥後細川庭園」や「関口芭蕉庵」を散策。
16時30分頃に解散。(解散後希望者で簡単な懇親会を予定)
 
日頃、熊大の卒業生とあまり交流機会のない方や、若い方の参加をお待ちしています。どうか気軽にご参加下さい。
尚、お手数ですが参加を希望される方は、下記までメールでご連絡をお願いします。又、当日は集合時間がきましたら予定通り開始しますので、時間に遅れないようお願いします。
 
連絡先〜曽根田満(法文学部 昭和48年卒)
            メール sonedamitsuru★gmail.com(★を@に変更してください)

『法学部生のキャリアデザイン』授業について

昭和48年卒 曽根田 満

令和5年12月20日に、熊本大学で後期講義の一環として行われている『法学部生のキャリアデザイン』に講師として参加する機会を頂きました。
この講義は後期日程の間、15回にわたって主に2年生を対象に、法学部の卒業生や、各界で仕事をされている方々が1時間30分の持ち時間の中で、自らの体験談や仕事の内容を紹介し、これから就職活動に入る学生の参考になるようにと大学で企画されたものです。昨年まではコロナ禍ということもあってWEBによる講義でしたがコロナの5類移行に伴い、今年から対面での講義となりました。
事前に大学に伺った話によると、近年の熊大法学部の学生は学部人数220名のうち、約半数が女性であること、九州・山口地区での就職者数が80%、公務員になる人が約半数と、50年前に卒業した小生にとっては時代の変化を考えさせられるデータばかりでした。
当日は法学部本館で凡そ200人の学生が参加しましたが、皆さん熱心に聴講していました。当方からは『自分自身の就職体験談』『39年間勤務した企業と、その後任官した調停委員で学んだこと』『人口減少の日本でこれから起こること』『日本の国家予算』について話をしました。テーマが盛り沢山の上に話の幅が広くて、『消化不良気味になるのでは』と心配しましたが、最後まで熱心に耳を傾けてくれました。
最後に質問の時間を15分ほど設けましたが、4人の方から「調停離婚」や
「地元就職」「将来の夢」に関するコメントがあり、日頃から問題意識を持って取り組んでいる姿勢が伺えたことは、小生にとっても励みとなりました。
このような先輩諸氏との機会を通じて、後輩の皆さんがより広い社会を知る一つの契機になってくれることを願っています。