府大トピックス

高温超電導の“立役者”の決定的証拠を観測

2017年07月20日(木)
広島大学放射光科学研究センターの井野明洋特任准教授と、大阪府立大学大学院工学研究科の安齋太陽助教(数理工学分野)、東京大学大学院理学系研究科の内田慎一名誉教授らを中心とする研究グループは、広島大学放射光科学研究センターの高輝度シンクロトロン放射光と世界最高水準の高分解能・角度分解光電子分光装置を用いることで、高温超伝導発現の鍵を握る「立役者」の決定的証拠を、とらえることに成功しました。
超伝導現象を演じているのは電子の集団です。しかし、高温超伝導体に関しては、電子の背後で暗躍している「立役者」の正体をめぐって、激しい論争が続いていました。今回、銅酸化物高温超伝導体への正孔添加量を極度に増やすことで、電子と「立役者」のやりとりの痕跡をくまなく観測することに成功しました。その痕跡が、格子振動の分布と完全に一致したため、電子の背後にいる「立役者」が格子振動と特定され、高温超伝導の謎の核心部分が解明されました。この知見は、さらなる高温超伝導体の探索を導く有力な手がかりを与えるものと期待されます。

ソース
プレスリリース・高温超伝導の立役者、決定的証拠を観測―電子とのやりとりの全容を解明へ―

 

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