光で小さな物質を力学的に操る技術としては、集光ビームで細胞などを捕捉するレーザーピンセットや、レーザーを照射して原子の運動を止める(ノーベル賞でも知られる)原子冷却の技術がありましたが、サイズ的にはその中間にある広範なナノ物質を操作する方法が未発達でした。石原教授らのグループは、分子や量子ドットなどのナノ物質に閉じ込められた電子と光を巧みに相互作用させて、一つ一つのナノ物質を光によって選択的に操作するための理論を提案してきました。
今回の新学術領域は、このような研究の蓄積を土台にして、物性物理、光化学、レーザー工学、分子流体力学、バイオ化学などの多くの異分野の研究グループが協力し、個々のナノ物質を多様に操作し、全く新しい微視的な秩序を創り出すために体系的な学理を構築しようとするものです。
本領域には府立大の他、北海道大学、千葉大学、分子科学研究所、名古屋大学、大阪大学など、12大学(機関)に所属する19研究グループが参画し、新しい学術領域の構築を目指しています。
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